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犬の前足の切り方
基本は円柱
アンギュレーションがある後ろ足と違って前足は基本的にまっすぐな円柱を作ります。
後ろ足のカットの仕方は以下を参照
ぼうぼうに伸びた前足をテーブルからまっすぐ360度角がないように丸くきるのにはコツがあります。丸く切っているつもりが別の角ができてしまってなかなか揃わない、そのうちに足が細く細くなってしまう失敗はありませんか?
筆者が一番早く簡単に切れる切り方を紹介します。
基本的な学校で教えてもらう切り方の基本は….
まず四角柱を作って徐々に角を切っていくスタイルを最初に学ぶと思います。
ボサボサの丸の毛を上から見た状態です。
まず前面の一面をカット
そして後面の一面をカットして
左右をカットして四角柱を作ります。
そして同じように4隅の角をカットして
8角柱にしたらどんどんと角を落としていき
16角柱と多角形の数字を大きくしていって最終的に角が取れて
円柱になるという仕組みです。
このやり方だと円に近づいたのに角を取る量によって別の角ができてしまったりしてしまうことがありますし時間もかかります。
ハサミで曲線を作るということー横バサミの場合ー
まずまっすぐな鋏を横に向けて上下にカットすることで円柱を切るということについて説明します。
鋏を横に向けて上から下に切ると面としてはハサミの幅分がまっすぐに切れていますが最終的な円柱になった時に残るその一回で切れている部分は一本のラインでしかありません。
これを少しずつ角度を変えて何度もラインを重ねることで円柱になっていきます。
すなわち1/4の面積であれば45度の角度分ざっと45回ほど角度を変えれば曲線になるのです。
ハサミで曲線を作るということー縦バサミの場合ー
では縦に鋏を入れた場合はどうでしょうか。
単純に鋏を縦に入れてぐる〜と手首を使ってチョキチョキしながら曲線を描けばその動線通りに鋏の幅分の曲線が描けます。
面を曲線に切ることだけに特化すれば立て鋏の方が角を早く取ることができます。
おすすめの早い切り方
それでは上記を踏まえて筆者のおすすめの切り方をご紹介します。
まず前足の前面を切ります。図は上望した状態です。その時にコーミングは前にとき出します。切りたいラインの方向に全て毛を引き出すような感じです。
そして切りたい幅でハサミは横でも縦でも構いませんので真っ直ぐラインを取ります。
そして真っ直ぐ切った両サイドを軽く20度ほど傾けて角を取ります
この時のポイントは浅くです。45度も角度をとってしまうと取りすぎてしまいます。
今はラインが出る方向に全て毛を引き出している状態です。そして次に足の中心から放射線状にコーミングすると今とった角がふんわりと自然な丸みになります。
この面と角の取り方の方法を残りの3面にすると早く角が取れます。
4面このやり方をすれば最後は軽い手直しで綺麗な円柱ができているはずです。
それでは実際のカットで説明
まず切る形の説明
横から見て足の中にある骨をイメージします。肩甲骨、上腕骨、橈骨、しゃっ骨、手根骨、以下の細かい足先の骨。これらの骨に腱や筋肉があり脂肪があり体の丸みを作っています。
まず基本にするのは上腕骨と上腕の筋肉の丸み。
横から見てエルボーの高さまで肩端の下から上腕の丸みで足の始まりの全面に切り込みを入れます。
そしてエルボーの高さから下はテーブルと垂直に手根骨まで真っ直ぐカットします。
後ろ側はエルボーから手根骨までを前のラインと並行にカットします。
手根骨以下は足回りをカットしているラインに自然に繋げます。
前から見た形はシンプルで体(バリカンやシザーのカットの長さ)と自然に繋げて真っ直ぐカットします。円柱と言ってもエルボーから下、手根骨までがまっすぐの円柱になります。
実際のカットを説明
最初に足の前面をコーミングします。ラインを出したい前側にコームを入れて引き出すように真っ直ぐ前にとき出します。この時コームを縦に入れると効率良く毛を引き出すことができます。
そして上で説明したように切り込み→真っ直ぐ→足回りとラインを取ります。
全面(ピンク)が取れたらそのサイドの角(ブルー)を軽く取って置きます
そして放射線状に足の丸みに合わせたコーミングをすることで前面がゆるく丸く角が取れた曲線になっています。次に同じようにサイドの面を引き出すようにコーミングして肩からまっすぐにカットします。
引き出してカットができたら軽く角を落としてふんわりとコーミングし直して自然な丸みを出します。
サイドができたら同じように後ろもカットします。
後ろ足の内側(脇側)の角は鋏を入れにくいので足の先を持ってエルボーから同じようにラインが出る方向にコーミングしてラインをとると簡単に取れます。
後ろの内側の角は後ろから、前側の内側の角は前に足を出してカットすると取りやすいです。
反対の片足を上げて脇の毛が残っていないかチェックします。
手根まで真っ直ぐ円柱にカットしたラインと足回りが自然につながるように手直しします。
最後全体をコーミングチェックして完成です。
鋏を縦に使い、コーミングの工夫で面で曲線をとっていくこの方法が経験上筆者の今のところ一番早く切れるやり方です。
皆さんの参考になれば幸いです。
動画でも解説しています