プードルのクラウン手順
ライセンス(JKC)のC級B級ともにプードルの基本スタイルの顔バリカンをしたクラウンの切り方の手順の説明です。
なかなか難しくきっちりと土台が作れていないと、揃えても揃えてもいびつだったり、左右対称にならない人も多いのではないでしょうか。
各学校での教え方や決まった手順もあると思いますが、苦手な人の参考になればと思い記します。
JKC指定校で教師をしていた筆者のトリマー歴25年で一番わかりやすく簡単な切り方の手順です。
切り方
コームで毛をしっかり下にコーミングして顔バリカンから出る毛をカットする。
- 足止めと同じようにハサミはテーブルと水平にすること。
- 角度をつけると切り上げてしまうので目尻の高さから下に出る毛を切るだけにしよう。
目元の毛を軽く前に引き出して目から目尻の角を切り上げる。
- 切り上げの角度の目安は犬の顔を斜めから見て目の下の膨らみをそのまま延長した角度がどの犬にも対応できると思います。
- 頭部を上から見て8等分した2面を左右対称になるようにカットしましょう。
そのまま目尻から耳の前〜耳の上〜後頭部へとつなげる。
角度は目の膨らみの角度をそのまま継続して下から広げるように。
写真は首抜きですがケネルの場合は耳の上から肩のラインにつなげます。
反対の目尻からも同じ様にカットし左右対称になるようにつなげます。
- コーミングはそれぞれのラインが出る方に毛を軽く引き出すようにとかす。
- カーブバサミを使うと丸みを取りやすいです。
- 上から見た丸みと正面から見た切り上げの両方の角度を意識しながら刃先をどう向ければ良いのかを考えながら切り進めましょう。
- 正面からと真上から、真後ろからみて左右対称に。
- しっかりと土台の切り上げができていればあとが楽です。
- 逆に土台がいびつだったり左右不対称だと後の作業は時間がかかりなかなか完成しません。
上部を立毛して下から頂点に向かって丸みを作ります。
この時は
目尻から頂点に向かう丸み
サイドからの頂点に向かう丸みと
後頭部から頂点に向かう丸みをカットして
目の前の部分(スウェル)はカットしません。
- 切り上げは下から頭頂点に向かって。
- 頭頂からサイドに切り下げていくシザーリングはNGです。
- 目線やハサミの入れる方向によっては膨らみを削ってしまうこともあるので苦手な人は横バサミで切り上げていく方が良いと思います。
横から見てマズルから70~80度を目安に目頭から切り上げます。
スウェルを出しすぎないようにしながらセンターより前に重心を作ります。
- 斜め後ろや斜め前から見て上下の膨らみが対称かどうかチェック
- 全体を見て左右、上下、前後、全て対象になっているかチェック
- 最終、耳の周りやイマジナリーラインに残り毛がないかチェック
出来上がり
基本大切なのは土台。
土台がしっかりとできていれば上の丸みはちょちょっと切れば完成します。
イマジナリーラインや切り上げなどはストレートを使い、丸みを取るところはカーブを使うといった風にシザーを使い分けて効率よくカットしましょう。
いろんな学校やお店の切り方があると思いますが、苦手な人や時間がかかってしまう人に少しでも参考になれば嬉しいです。
素敵なトリマーライフを!