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開業に必要な動物取扱業
ここではトリマーさんが独立する際に必要な動物取扱業登録について少しお話ししたいと思います。
主に美容を主体としたトリミングを開業しようと考えている若きトリマーさんは参考にしていただければと思います。お店を開業するにあたってトリミングという業務は各都道府県に動物取扱業の登録をしないといけません。
第一種動物取扱業とは
一定以上の頻度または取扱量で行を営む行為のことを指し、「販売」「保管」「貸し出し」「訓練」「展示」「競り斡旋」「譲受飼養」の7業種が対象となります。インターネット等を利用した代理販売や訪問ペットシッターのように、飼養施設を持っていない場合であっても登録の対象となります。
販売 | 動物の小売り及び卸売並びにそれらを目的とした繁殖または輸出入を行う業(取次または代理を含む) |
保管 | 保管を目的に顧客の動物を預かる業 |
貸出し | 愛玩、撮影、繁殖その他の目的で動物を貸し出す業 |
訓練 | 顧客の動物を預かり訓練を行う業 |
展示 | 動物を見せる業(触れ合いの提供を含む) |
競り斡旋 | 動物の売買をしようとする者の斡旋を会場を設けて競りの方法により行うこと |
譲受飼養 | 有償で動物を譲り受けて使用を行うこと |
トリミングのお店はこの中で「保管」に当たります。開業するにあたってこの動物取扱業の保管の部門の登録が必要になります。また子犬の販売もする方は「販売」部門も登録する必要があります。余談ですがペットシッターは「保管」にあたります。
動物取扱責任者の配置
動物取扱業を申請するにあたって必須なのが動物取扱責任者です。これは各営業所に1人おかなくてはいけません。なので同じ1人が他店と兼任することはできません。取扱責任者は各都道府県が開催する動物取扱責任者研修(講習会)を毎年1回受講する義務があります。
動物取扱責任者の資格要件
1.半年以上の実務経験
2.所定の学校の卒業
学校法人 | 学科 |
---|---|
高等学校 | 畜産学専攻学科 |
動物の生理生態等の学科 | |
大学 | 獣医学の正規の課程学科 |
畜産学の正規の課程学科 | |
動物の生理生態等の学科 | |
短期大学 | 動物の看護専攻学科 |
動物の生理生態等の学科 | |
専修学校 | 動物の生理生態等の学科 |
各種学校(履修期間1年以上) | 動物の生理生態等の学科 |
- 高等学校では訓練が認められていません。
- その他の教育機関(学校法人以外)については認められない場合もあります。
3.所定の資格の取得
資格 | 団体名 | 認められる種別 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
愛玩動物飼養管理士 (1級・2級) |
公益社団法人 日本愛玩動物協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
愛犬飼育管理士 |
社団法人 ジャパンケンネルクラブ |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
愛護動物取扱管理士 |
社団法人 新潟県動物愛護協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
家庭犬訓練士 (初級:中級:上級:教師) |
一般社団法人 全日本動物専門教育協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
家庭動物管理士 (旧:家庭動物販売士) |
一般社団法人 全国ペット協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 展示 | |
競技別指導者資格 馬術コーチ |
財団法人 日本体育協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
競技別指導者資格 馬術指導員 |
財団法人 日本体育協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
競技別指導者資格 馬術上級コーチ |
財団法人 日本体育協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
公認訓練士 |
社団法人 ジャパンケンネルクラブ |
保管 | 訓練 | |||
公認訓練士 |
社団法人 日本警察犬協会 |
保管 | 訓練 | |||
公認馬術指導者資格 コーチ |
財団法人 日本体育協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
公認馬術指導者資格 指導者 |
財団法人 日本体育協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
実験動物技術者 (2級) |
社団法人 日本実験動物協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 展示 | |
小動物飼養販売管理士 |
協同組合ペット・サービスグループ (PSG) |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
乗馬指導者資格 (初級) |
社団法人 全国乗馬倶楽部振興協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 展示 | |
乗馬指導者資格 (中級) |
社団法人 全国乗馬倶楽部振興協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
地方競馬教養センター 騎手課程修了者 |
地方共同法人 地方競馬全国協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
調教師 |
地方共同法人 地方競馬全国協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
動物介在福祉士 (初級:中級:上級:教師) |
一般社団法人 全日本動物専門教育協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
動物看護師 (初級:中級:上級:教師) |
一般社団法人 全日本動物専門教育協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
動物看護士 (3級) |
公益社団法人 日本動物病院福祉協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
動物取扱士 (3級) |
NPO法人 九州鳥獣保護協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
トリマー (初級:中級:上級:教師) |
一般社団法人 全日本動物専門教育協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
認定ペットシッター |
ペットシッタースクール |
保管 | 訓練 | |||
ペットシッター士 (H21.4.1以降取得に限る) |
NPO法人 日本ペットシッター協会 |
保管 | 訓練 | |||
GCT (Good Citizen Test) |
優良家庭犬普及協会 |
保管 | 訓練 | |||
JAHA認定 家庭犬しつけインストラクター |
公益社団法人 日本動物病院福祉協会 |
販売 | 保管 | 貸出し | 訓練 | 展示 |
4.以下の事項に該当しないこと
- 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
- 動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号。以下「法」という。第19条第1項の規定により登録を取り消され、その処分のあった日から2年を経過しないもの
- 法第10条第1項の登録を受けた者で法人である者が法第19条第1項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあった日前30日以内にその第一種取扱業者の役員であった者でその処分のあった日から2年を経過しないもの
- 第19条第1項の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しないもの
- 方の規定、化製場等に関する法律(昭和23年法律第140号)第10条第2号(同法第9条第5項において準用する同法第7条に係る部分に限る。)若しくは第3号の規定又は狂犬病予防法(昭和25年法律第247号)第27条第1号若しくは第2号の規定により罰金刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないもの
- 動物の販売を業として営もうとする場合にあっては絶滅の恐れのある野性動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号)第57条の2第1号(同法第12条第1項(希少野性動植物種の個体等である動物の個体の譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)、第58条第1号(同法第18条(希少野生動物種の個体等である動物の個体に係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)若しくは第2号(同法第17条(希少野性動植物の個体等である動物の個体に係る部分に限る。に係る部分に限る。以下同じ。)、第63条第6号(同法第21条第1項(国際希少野性動植物種の個体等である動物の個体に係る部分に限る。)、第2項(国際希少野性動植物種の個体等である動物の個体に係る部分に限る。)、第3項(国際希少野性動植物種の個体等である動物の個体の譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)又は第6項(国際希少野性動植物種の個体等である動物の個体に係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)若しくは第65条第1項(同法第57条の2第1号、第58条第1号若しくは第2号又は第63条第6号に係る部分に限る。)の規定、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)第84条第1項第5号(同法第20条第1項(譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)、第23条(加工品又は卵に係る部分を除く。)、第26条第6項(譲渡し等のうち譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)又は第27条(譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)、第86条第1号(同法第24条第7項に係る部分に限る。以下同じ。)若しくは第88条(同法第84条第1項第5号又は第86条第1号に係る部分に限る。)の規定又は特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成16年法律第78号)第32条第1号(特定外来生物である動物にかかる部分に限る。以下同じ。)若しくは第4号(特定外来生物である動物に係る部分に限る。以下同じ。)、第33条第1号(同法第8条(特定外来生物である動物の譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)若しくは第36条(同法第32条第1号若しくは第4号又は第33条第1号に係る部分に限る。)の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないもの
まあこの最後の4項目めは新卒や若いトリマー さんで初めて開業しようとする方ははほとんど該当しないと思いますので気にしなくていいと思います。
動物愛護法改正により
2019年の6月に動物愛護管理法が改正されて施行までそれぞれ内容によって1年から3年以内となっています。2020年の6月以降に新しくトリミングのお店を開く、または現在の動物取扱責任者の更新の際にはこの2項目3項目めの該当が外れてしまって新しく資格を取りなおさないといけない方も出てくるかと思いますので今一度確認しておいてください。