[プロトリマーが教える]ワンコのおうちでの爪切りのやり方



トリミング講座

にょんち

爪今どんな感じ?伸びてる?
毎日朝夕散歩行ってるし大丈夫

なつめ

にょんち

私前足だけ伸びてるかな
自分めっちゃ引っ張って後ろ蹴ってるもんな

なつめ

爪切り

お家のワンコの爪がフローリングでかちゃかちゃと大きな音を鳴らしていたり、腕にちょいちょいって前足で呼ばれるといやに痛いなと感じることありますよね。それはそろそろ爪の切り時のサインかもしれませんよ。

小型犬であればパットから生えている爪が根元から2センチ以上あれば爪が伸びているといっていいでしょう。多少のサイズの差やパットの握り(横から見た地面についているパット側と上面の甲側の厚み。厚みのない子は平べったく指が伸びているように見えます。握りの良い子は人間で言う、グーの形をしているような間に見えます。)の差はありますが、伸びすぎて爪の先が地面につき、そのせいでパットに根元が圧がかかっている、パットが地面から浮いて蹴るときにパットを使えていない様なら切ってあげてください。

犬の爪は人間と違って丸く中心に血管が通っています。そしてその血管は一定の期間を過ぎると爪と同じ様に伸びて行きます。1ヶ月ぐらいだと伸び多分だけの先をカットしても血は出ませんが2ヶ月3ヶ月と放置していた爪を伸びた分だけカットすると必ず出血させることとなり同じ様に伸びた神経も傷つけることとなり犬に痛みが伴います。爪切りが痛いと覚えると美容自体を嫌がる様になり美容室のを嫌がったり怖がったり、人に足先を触られることに恐怖を抱く様になるので、少なくとも1、2ヶ月で爪を切ってあげてください。

犬の爪はスパイクの役目を果たし犬が前進するための駆動としてタイヤの役目をしています。なので硬いじめん、アスファルトをたくさんお散歩しているワンコはよりすり減る度合いが多く、柔らかい土や絨毯しか歩いていないワンコはすり減りが少ないです。また体重の重いワンコほどすり減る量も多く、とくに体重の負荷が立止時で7割が後ろ足に掛かっているため、蹴り出す力はそれ以上になるので後ろ足の方が良くすり減ります。後ろ足は全然伸びないけれど、前足だけはたくさん伸びているワンコも多いです。

また前足には狼爪(ろうそう)と呼ばれる人間でいう親指が上の方についています。その足は地面につかないのでかならず伸びます。狼爪はある犬とない犬がいますのでチェックしてみてください。お散歩で爪が伸びていないので気にしていなかったが、ふと見ると狼爪だけが放置で伸びすぎ巻いてパットに刺さってしまって出血していることもあります。

お家で爪切りをチャレンジしてみよう

爪切りは一番心配なのは血が出たらどうしようということだと思います。クイックストップという名の止血剤(鳥や小動物の爪切りにも使用する黄色いパウダー)がネットで購入できますのでそちらを用意しておくと安心です。おうちでの爪きりはこまめな予防トリミングですので明らかに放置された爪を出血するほど切らなければいけない時は美容室か動物病院で切ってもらってください。

では具体的にどういう風にするか説明していきましょう。

用意するもの
  • 爪切り ホームセンターやペットショップで売っています
  • やすり 人間のネイル様で構いません
  • 止血剤 もしかしたら出血するかも!と心配な人
手順1
爪のチェック

 

写真は少し色が分かりにくいですが目安は爪が白い子は血管が透けて見えるので白いところだけをカットします。赤いところギリギリできると末梢神経に触れて出血することがあるので赤いところから少し白いところを1ミリほど残してカットしてください。
青い線とオレンジの線を爪切りでカットするのは難しいと思うので長さだけ青い線の様にカットして残りの角はヤスリで削り落とす様にすると安全です。上級者や大型犬の爪は角も爪切りで落とすとやする量が少なくなり作業も楽です。

注意
爪が黒い犬の場合は断面図や長さを目安に切ります。爪の中で一本でも白い爪がある子はその長さを他の黒い爪の目安にしてください。

手順2
爪を切る

 

まずしっかりと犬の足を自分の指先と犬の爪先が同じ方向になる様に左手で持ち親指と人差し指で爪の根本をしっかりと押さえます。ギュッと圧迫すると少し爪が数ミリ伸びる感じでパットに埋もれてる分が出てきます。最初は少し角をとるぐらいから練習していきましょう。犬が急に暴れたり左手の保定が甘いと思っているより深爪してしまうことがあるので特に左手の保定を確実に。

 

point
爪切りの使う方向の注意です。レバーを握った際にギロチン状の刃が下から出てきます。その出てきた歯の側は爪先のほうに来る様にしてください。写真参照。もし出血してしまった場合は止血パウダーを右手の人差し指につけて出血した断面に塗るというより押し込む様につけてください。血管を焼いて止めるタイプなのでお化粧パウダーの様にポンポンしただけだとその時は止まっていてもお散歩に行ったら取れてまた出血することがあります。

手順3
爪をやする

 

一通り爪が切れたら次はヤスっていきます。前足は人や他の犬へ、後ろ足は自分の体や顔を掻く時に傷つけてしまうのでしっかり角を丸めていきましょう。やすれたと思ったら自分の指でグリグリと触って確認して角がないかささくれがないか確認してください。

point
長いやすりを使う場合はやすりの先が犬の口や目に当たらない様方向に注意してください。切った断面ではなく角を丸めるので爪に対して斜めに入れるのがポイントです。

 

 

手順4
完了

 

こんな風に短く揃いました。爪切りはこれで完了です。

point
前足だけとか、後ろ足の中でも外側一本だけ伸びているなど、伸びる箇所は様々ですので全ての指をチェックして伸びている指の分だけカット、やすりしてあげてください。

大切なのは信頼関係

耳掃除と同じく一番難しいのは犬の保定だと思います。特に足の先を触られるのを嫌がるワンコは多いです。飼い主さんとの信頼関係を築く上でも少しずつ慣れさせて段階を踏みながら進めていきましょう。

  1. お手の状態から軽く足先を包み持ってじっとさせる。
  2. 指一本を握って爪をいじいじしてみる。
  3. 最初は爪切りでなくやすりでゴリゴリした違和感を感じさせても離さない様に保定の確実性をチェック。

時間(日にち)をかけてここまでできるようになったら、爪を切る段階に進みましょう。最初は先っちょの白いところを少しで結構です。慣れてくれば一度で伸びた分をカットできる様に徐々に練習していきましょう。

 



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